仕事を改善するには、ものの考え方を少し変える必要があります。「本質を考える」で、考え方にパターンがあり、思考パターンをいくつか身に着けることが一番大切なことと説明しました。この少し変化した考え方がベースになって、自分の仕事の「品質、納期、価格」が改善します。
品質は精度を高める、納期は効率性を上げる、価格は自分の時間を高く売るという意味です。そうすると、仕事でも手抜きができますし、楽ができるって寸法です。
「本質を考える」は、様々な情報から一つの重要な情報に行き着くという作業です。「一を聞いて十を考える」は、一つの情報から多くの情報を生む作業です。
両方に慣れると、情報や物事を「整理する」「推測する」「組み合わせる」がスムーズになります。
これって便利そうでしょ。
では、「一を聞いて十を考える」を説明しますね。
概要
「一を聞いて十を知る」を聞いたことありませんか。
孔子の弟子で子貢という人の同じ弟子の顔回に対しての感想です。
物事の一部を知って、その全体を把握するというチート技っぽいことわざです。
この「一を聞いて十を知る」は、少し練習するだけで誰でもできてしまう技で、フリーレンが使う魔法ゾルトラークみたいなもんです。
「一を聞いて十を知る」を少し意訳してみると、「一の情報に関連した十の物事を考える、予測する」って感じでしょうか。
その効能ですが、十を考えたあなたは、十の新しい情報を得たわけですから、考えていない人に比べ先行できるようになります。指示を待つことが圧倒的に減ります。得られた情報の最大公約数か取捨選択で動き出せば大体うまくいきます。
一の情報から考えて得られたものは全て情報です。
真偽入り混じってますが関係ありません。ガセネタでも人を動かす負の力を持ってます。
もし正しい情報なら誰よりも早く行動でき、その影響は広範囲に及びます。
指示待ち人間と言われる人にほぼ共通していたのは、想像力が弱いという点でした。
管理で優秀な人は、何かが起こった時すぐにいくつかのシナリオを用意していました。
それも最悪シナリオは必ず想定されていました。
臨機応変かつ最大速度にできた理由は「一を聞いて十を考える」を実践した人だったからだと思います。
一を聞いて十を知る為の方法
昨日2階からかみさんが、このはさみ切れんねとクレームが入りました。
この情報には、「2階、かみさん、はさみ、切れない」の4つも情報があるじゃないかと突っ込んではいけません。
一つの情報には、When(いつ)Where(どこで)Who(誰が)What(何を)Why(なぜ)How(どのようにして)How much(いくら)というものが何かしら含まれているからです。単語のみで構成された情報ってあまりないんです。
さて、この一から十を考えてみましょう。
1.何かを作ろうとしてた
2.服の飛び出た糸を切ろうとした
3.簡単に切れないもの切ろうとしている
4.紐で何かをしばって縛り口の余った紐を切ろうとした
5.枝毛を切ろうとした
6.捨てるものがあるので細かく切ろうとした
7.服の値札を切ろうとした(服を買った?)
8.切れないことに不満がある感じだから、すぐに切りたいものがある
9.思い出の品でも出てきて、切り取って保存しようとした
10.古いノートでも出てきてメモ用紙にしようとした
この時、持てる知識を総動員して構いません。
推測できる範囲が広がりますし、情報確度がアップします。
まず一般的な知識、はさみは何のためにあるかなど、次に自分を取り巻く環境、状況、感情などと続きます。
これを行動に昇華させるために、これらの情報一つ一つに行動を考えてみてください「一を聞いて十を考える」ができた後に行動へ移す時は、これらの情報から最大公約数の行動を取れば最適解となるようです。
その日私は、これらの類推の最大公約数として、カッターと定規を持って2階に行きました。結果、着なくなった服を太めの紐で縛ってました。
ビジネスであれば、機械故障、クレーム、生産速度低下、不良品多発、人材教育に至っては10人いれば11人分の教育方法を考えるなどなど、様々な場面で少ない情報から行動しなくてはいけません。
そんな時、日頃から「一を聞いて十を考える」に慣れておくと対応速度が全然違います。皆さんからの事例要望募集します。いっしょに考えてみませんか。
まとめ
「一を聞いて十を考える」は、連想ゲームです。瞬間的、爆発的に考える力です。
合ってようが間違ってようが関係ありません。考えたもん勝ちです。
考えるというのは、予測、推測、類推、仮説立案など行動を決定する過程のなかほどです。さらにこれを発展させるときは、知識を思いっきり総動員して一の情報から十を類推してみてください。
また、深く多くのシミュレーションを繰り返してみてください。
机上の空論と馬鹿にするけれど、シミュレーションが足りていないだけです。机上の空論でも徹底的に練り上げると、それは机上の現実となります。予測精度は情報量に比例します。
この情報量とは、知識量だったり、環境情報だったりします。
知識量が多いということは、知らないことが少ないということで、予測のブレが少なくなります。
同じ事柄でも朝聞くのと昼聞くのでは環境と状況が違い情報量と質が異なります。
単純化すると、考えて得た事柄はすべて情報であり、有益な予測情報なのです。
「本質を考える」との関連性は、予測を行うには本質を理解していないと正しい予測を行えないことです。多くの雑多な情報を収束させ、そこから改めて情報を再構築する。
これが、「本質を考える」と「一を聞いて十を考える」をテーマにした理由です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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